外傷性頚部症候群
外傷性頚部症候群
症状
外傷性頚部症候群について
交通事故など予期せぬ衝撃によって首に力が加わった後、なかなか良くならない首の痛み、肩こり、頭痛、めまい、手のしびれといった症状にお悩みの方はいらっしゃいませんか?
レントゲン検査では骨折や脱臼といった明らかな異常が見つからないのに、これらの症状が長期間続く場合は「外傷性頚部症候群」と呼ばれる状態かもしれません。
原因
事故の瞬間に何が?体の防御反応とその後
私たちの体は事故の瞬間、無意識のうちに首を守ろうと筋肉がぎゅっと緊張します。衝撃の大きさによっては、首の筋肉の一部が傷ついたり、靭帯が損傷することがあります。
受傷後しばらくの間(1~3か月程度)は、首の局所に痛みを感じることが一般的です。しかし、この時期に過度に安静にしすぎると、かえって痛みが長引く原因になることがあります。骨折や脱臼がないにもかかわらず、長期間にわたって首のカラー(頚椎装具)を着け続けることも、首の痛みや肩こりを慢性化させる要因となることがあります。
診断
診断のポイント:画像検査だけでは見えないもの
診断では、レントゲン検査やMRI検査が行われます。これらの検査では年齢に伴う変化を認めることがあります。この変化に外力が加わり、症状が出現する可能性があります。
頚椎症による骨の棘(骨棘)はMRI検査で骨棘が椎間板のわずかな膨らみに見えることがあり、「椎間板ヘルニア」と診断されてしまうケースもあります。
治療
大切なのは早期のケアとハビリ
骨折や脱臼がなければ、痛みの長期化を防ぐ上で受傷後2週間前後の安静期間を経て、首を動かすことが重要です。安静期間は必要最小限にとどめることが望ましいでしょう。
慢性的な痛みに悩まされる場合は過度の安静や生活の制限よりも、ストレッチを中心とした体操をしっかりと行うことが、最もよい治療法となります。
交通事故後の首の痛みや不調は、目に見えない部分の損傷が原因となっていることもあります。自己判断せずに、専門医に相談し、適切なアドバイスと治療を受けるようにしましょう。早期からの適切なケアと根気強いリハビリテーションが、つらい症状からの回復への近道です。