腰椎分離すべり症
腰椎分離すべり症
症状
腰痛だけの場合と、殿部や太ももの痛みやしびれも出る場合があります。一般に痛みは腰を後ろにそらせた時に強くなります。腰痛は10歳代の頃から自覚し、青少年から高齢者まで幅広い年齢で見られます。
病態・原因
多くは体が柔らかい中学生の頃に、ジャンプや腰の回旋を行うことで腰椎の後方部分に亀裂が入って起こります。「ケガ」のように1回で起こるわけではなく、スポーツの練習などで繰り返して腰をそらしたり回したりすることで起こります。一般の人では5%程度に分離症の人がいます。分離症は10歳代で起こりますが、腰椎の変性が進むと「分離すべり症」に進行していく場合があります。
診断
分離症の診断は正面や側面に加えて斜めのエックス線(レントゲン)像ではっきりします。分離すべり症では脊柱管は狭くならないのでMRIでははっきりしません。分離部で神経根が圧迫されていることが多く、神経根ブロックは診断と治療の両方に有用です。
治療
分離症があっても強い痛みや日常生活の障害が続くことは多くありません。腹筋・背筋を強化して、一般的な腰痛予防を心がけます。腰痛や神経根圧迫による殿部や下肢の痛みで日常生活や仕事に支障が生じれば、神経の圧迫除去に加えて固定術が行われます。