頚椎症性脊髄症
頚椎症性脊髄症
症状
両方の手足がしびれたり、動きが悪くなったりします。ひどくなると排尿や排便に異常が出たり、ハシの使用やボタンかけが困難となったり、階段を下りるのがこわくなるなどの症状が出ます。これは首の骨(頚椎)の中を通る太い神経(脊髄)が障害されることによるものです。
病態・原因
椎間板の変性に伴い骨が変形して出っ張り(骨棘)を生じます。骨棘や背骨をつなぐ靭帯の厚みが増してくると脊髄の通り道(脊柱管)が窮屈になり、脊髄症を生ずることになります。不良姿勢、繰り返しの重量物挙上、頚椎に過度の負担がかかる運動などは椎間板、頚椎、靭帯の変性を早める可能性があります。
診断
脊髄症の有無を確認することが重要です。手指の巧緻運動を調べる10秒間テストや握力低下、腱反射の異常、筋萎縮の有無などで診断します。症状からその可能性が考えられる場合はエックス線(レントゲン)撮影、MRIなどにより診断を進め、必要があればさらに精密な検査(脊髄腔造影、CTなど)を行い診断します。
治療
よい姿勢を保ち、頚椎に対する負担をできるだけ減らすことが重要です。一般的には首を軽く前屈気味にする方が神経への刺激が少なくなりますが、個人差がありますので医師と相談することが必要です。
治療は初期の場合、薬物療法(消炎鎮痛薬、ビタミンB12など)、装具療法、牽引療法(間欠牽引、持続牽引)、温熱療法などを行います。脊髄症が進行した場合には手術が必要となることもあります。
手術は狭くなった脊髄の通り道(脊柱管)を広げる椎弓形成術や神経を圧迫している椎間板・骨棘を取り除く前方固定術などがあります。症状に応じて方法が選択されます。