骨粗しょう症
骨粗しょう症
症状
「骨粗しょう症」とは骨の量が減り、質も劣化して骨の強度が低下した状態で骨折を起こしやすくなります。骨粗しょう症になっても痛みはないのが普通です。しかし、ちょっとしたはずみで背骨を骨折したり、転んだ時に手首、太もものつけ根などの骨折が生じやすくなります。骨折するとその部位が痛くなり動けなくなります。背骨が一つ、また一つとつぶれていくと、背中が丸くなったり、腰が曲がったりして歩きづらくなってきます。
原因
通常、骨の中では古くなった骨が吸収されて新しい骨が形成されることが繰り返されています。骨吸収が骨形成よりも盛んになると、骨がスカスカになってきます。
男性より女性に多く、主に閉経後のホルモンバランスの崩れによって起こります。他には老化や遺伝的な体質、偏食や過度なダイエット、喫煙や過度の飲酒、家の中に閉じこもり外出しない生活習慣も原因になるとされています。
続発性骨粗しょう症では、甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能亢進症、関節リウマチや糖尿病などの病気や胃の切除、ステロイド剤の長期服用なども原因になります。
診断
エックス線(レントゲン)写真と骨密度測定で診断します。骨密度を測るには、DEXA(デキサ)法、MD法、CT法などがあります。これまでに骨折したことがあるかどうかも参考にします。
予防・治療
- 予防
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骨粗しょう症は予防が大切で、運動と食事(栄養)がその基本です。
- 下記を含む食品を摂取するよう心がける。
カルシウム(1日800mgを目標にする)、ビタミンD、ビタミンK、タンパク質 - 散歩や1分間片足立ち運動、日光浴(15~30分程度)をする。
- 杖を使用して転ばないように注意する。
- 禁煙し、アルコールは控えめにする。
- 過度なダイエット、偏食を避ける。
- 下記を含む食品を摂取するよう心がける。
- 治療
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- 薬には以下の種類があり、患者さまの状態に合わせて選択します。
骨吸収抑制剤、骨形成促進剤、ホルモン剤や各種ビタミン(D、K)剤、痛みをとるものなど - 骨折には、それぞれに応じた手術やギプスによる治療が必要です。
- これまでに骨折したことがある人は、骨密度が正常でも治療を開始することがあります。
- 近年脊椎圧迫骨折が治らない状態である骨粗しょう症性椎体圧潰に対して、椎体形成術(ハイドロキシアパタイトや骨セメントを椎体内に充填する手術)と脊椎固定術を要する患者さまが増加しています。
- 薬には以下の種類があり、患者さまの状態に合わせて選択します。